鳥売(とりうり)は、中世(12世紀 - 16世紀)期にかつて存在した鳥類等を行商する者であり、かつて京都に存在した「鳥三座」の商業者である。

略歴・概要

鎌倉中期(13世紀)に内膳司御厨子所が、平安京の三条大路(現在の三条通)よりも南の地区において、「魚鳥精進菓子交易の輩」(「魚・鳥・野菜・菓子を販売する商業者」の意)を「御厨子所供御人」として抱える代わりに、課税した。この「御厨子所供御人」が、のちの「鳥三座」のうちの「三条座」の前身にあたる。

室町時代、15世紀末の1494年(明応3年)に編纂された『三十二番職人歌合』の冒頭には、「いやしき身なる者」として、「菜うり」(菜売)とともに「鳥売」として紹介され、描かれている。

戦国時代、天文年間(1532年 - 1555年)の京都には、鳥を商う「鳥三座」が存在した。

  • 三条座(さんじょうざ) - 本所 : 内蔵寮
  • 五条座(ごじょうざ) - 本所 : 長橋局
  • 七条座(しちじょうざ) - 本所 : 駕輿丁座

「鳥三座」が対象とした商品は、

  • 鳥 - 雁(マガン、カリガネ)、雉(キジ)、鶴(マナヅル)
  • 狼(ニホンオオカミ)
  • 猿(ニホンザル)
  • 兎(ニホンノウサギ)
  • 狐(ホンドギツネ)
  • 狸(ホンドタヌキ、あるいはニホンアナグマ)
  • 獺(ニホンカワウソ)
  • 黐(トリモチ) - 鳥餅座

等であった。狩猟に使用する「トリモチ」を除きいずれも食用である。いずれも狩猟により収獲したものであって家畜ではなく、牛・馬あるいは豚等は扱われていない。1544年(天文13年)、祇園社(現在の八坂神社)に所属する「犀鉾神人」(さいのほこじにん)を名乗る神人が鳥の販売を行い、独占権をもつ鳥三座が当時の御厨子所別当・山科言継に対して抗議した記録がある。

1768年(明和5年11月)に初演された、長唄『吉原雀』で知られる顔見世狂言『男山弓勢競』に「男鳥売、実は八幡太郎義家」、「女鳥売、実は鷹の精」という役が登場する。「八幡太郎義家」とは源義家(1039年 - 1106年)であり、11世紀を舞台にしていることになる。

脚注

参考文献

  • 『座の研究 1』、豊田武、吉川弘文館、1982年3月 ISBN 4642025618
  • 『江戸時代の職人尽彫物絵の研究 - 長崎市松ノ森神社所蔵』、小山田了三・本村猛能・角和博・大塚清吾、東京電機大学出版局、1996年3月 ISBN 4501614307
  • 『戦国時代の宮廷生活』、奥野高広、続群書類従完成会、2004年2月 ISBN 4797107413

関連項目

  • 行商
  • 放生会
  • 吉原雀
  • 日本の獣肉食の歴史
  • ジビエ

外部リンク

  • 世界大百科事典 第2版『鳥売』 - コトバンク

日本鶏図鑑02 小国鶏 │ 趣味千

2016年08月24日夕方ごろに投稿されたvh843hvg47さんのお題 ボケて(bokete)

正月、庭に鳥を呼びました。 宮崎の季節がほらね!

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鳥類:近畿中国森林管理局